自動ブレーキシステムを搭載した車を実演したテレビCMをよく見かけるようになりましたね。
自動ブレーキをはじめドライバーが安全に走行できるようにする車は、「先進安全自動車(ASV)」と呼ばれています。
先進安全自動車は実用化が進んでおり、安全性も証明されてきました。
そのため先進安全自動車の場合、保険料が10%割引されることも決定しました。
先進安全自動車(ASV)とは?
ASVとは、ドライバーが安全に走行するための装置の総称を言います。自動ブレーキシステムをはじめ、様々な装置が実用化されていますね。
採用されているASV装置の一例は次の通りです。
ASVの種類 | 機能 |
---|---|
衝突被害軽減ブレーキ | 走行中に車が障害物を感知して衝突被害を軽減する |
車間距離制御装置(ACC) | 前方車両との車間を制御しながら自動でアクセルコントロールする |
レーンキープアシスト | 走行中に車線の中央付近から離脱するとハンドル制御で中央に戻す |
駐車支援システム | 駐車場への駐車をする時のハンドリングを制御するための装置 |
ふらつき警報 | 走行中に不自然な運転を感知すると警報が鳴る |
自動切換型前照灯 | 夜間走行で歩行者や対向車がいない時に自動でハイビームになる |
先進安全自動車で保険料が安くなる理由とは?
保険会社が先進安全自動車保険料を10%値引きを決めた背景は、ASV搭載車と比べて非搭載車との事故率に大きな差があったためでしょう。
代表的な例が、スバルの運転支援システム「アイサイト」搭載車を比較した事故調査結果です。
富士重工業が2010年~2014年に販売した車に対して、アイサイト搭載車と非搭載車の事故件数を調べました。
結果、1万台当たりの追突事故で約8割減、歩行者との事故では5割減など事故率の減少が証明されたのです。
(参考:2016年1月26日 スバル アイサイト搭載車の事故件数調査結果について)
アイサイトは、先進安全自動車として装備も充実しています。現時点で最新鋭の技術を搭載していると言えるでしょう。
先進安全自動車は各メーカーで採用する技術が異なります。
例えば自動ブレーキ用のカメラにしても、カメラ式や赤外線レーザー、ミリ波レーダーなど様々な方式があり性能に差があります。
まだまだ実用化のコストが高いので、今後は安価でかつ性能が高くなるよう期待したいですね。
ASVが大衆化すると保険料の割引が廃止になる可能性も
ASVの搭載で保険料が10%安くなる。とてもありがたいことですよね。
ただしASVの実用化が進み、一般的なグレードの車種に標準装備されるようになると、おそらく値引きは廃止になる可能性が高いでしょう。
過去の例を挙げますと、「エアバッグ割引」や「ABS割引」などがありましたが、現在ではほぼ廃止になっております。
エアバッグやABSが実用化された当初は標準装備ではなく、オプション扱いでした。
安全性が高い装備ですが、価格が高いので当初は高級車のみ装備していたようですね。
現代では一般大衆車に標準で装備されるようになりました。そのため装備による差別化が難しくなり、廃止に追いやられたのです。
ASVも5年、10年後には標準装備されるのが当たり前になることでしょう。
その時は保険料の割引が廃止になるかもしれませんが、安全性が向上するのはうれしいことですね。
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